学び

発達障害ってなに?

今回は、発達障害についてまとめてみました。

長年、仕事で関わっている内容になります。

基本的なことをここでは学んでもらえればいいなと思いますし

障害についての理解があることで実際に子育てをするときにも

生かされてくる点があると思っています。

子どもの発達を知ることは子育てにおいて非常に重要になると思います。

本日も最後まで読んでいただけると幸いです。

発達障害ってなに?

発達障害は、生まれつき脳機能の一部が通常とは異なる働きをしていることで起こるとされています。

昔は、『親の育て方が悪い』から発達障害になると言われていましたが、全くそう言うことではありません。

あくまで、生まれつきの障害であると言うことを知っておいてほしいです。

だいたい、3歳前後で周囲の人が気づくことが多いとされています。

目線が合わない

言葉が出てこない

バイバイや指差しがない

などの特徴が出てきますが、あくまで例になります。

障害といっても一人ひとり全く違うので『この人はこれ』と決めつけることはできません。

また、発達障害は治ると思っている方もいるようですが

脳機能の障害そのものを治すことはできません。

しかし、日常生活を送るために必要なスキルや対人関係スキルなどを身につけることで

つまずきを小さくすることは可能になります。

発達障害について

発達障害は色んな種類があります。

私自身、まだまだ知らない障害もありますが、今回は有名な障害について例に挙げて考えていきます。

また、1人1障害というわけではなく、他の障害を合併している人も多くいます。

ADHD(注意欠陥多動性障害)

ADHD(注意欠陥多動性障害)とは、不注意、多動性、衝動性の3つの特徴があるとされており、

注意力が不足していて、落ち着きがなくて、衝動的な言葉や行動をコントロールするのが難しいという特徴があります。

ここで、注意しないといけないのは

「あの子は注意力がないからADHDだ!!」

「あの子はいつも落ち着きがないからうるさい。きっとADHDかな!」

といった一つの出来事に対して障害だ!と思ってしまうと

世の中の全員がADHDになってしまいます。

実際に、診断を受けるには診断基準があったり、専門医での診察があり判定されます。

ADHDの特性の症状があったとしても必ずしもそれがADHDであるとは限りません。

ちなみに、よくみられる行動特性として・・・

行動特性
落ち着きがない
集中力が続かない
注意散漫
思い立ったらすぐに行動してしまう
癇癪を起こすことが多い
待てないことが多い

上記の特性がよくみられるといわれています。

この特性がありながら正しい支援がされていないと学校や保育園で

先生やお友達からは「変な子」「勉強を真面目にしない悪い子」など

周囲からの評価は低くなり、注意されることが増えて、自己肯定感や自己尊厳など

自分に自信が持てなくなるという負の循環に入ってしまいます。

自閉症スペクトラム(ASD)

自閉症スペクトラムの特徴で最も挙げられているのは、社会性の欠如と強いこだわりが挙げられます。

社会性の欠如は、主に対人関係がうまくいかないことがあります。

相手の気持ちがわからないので、太っている人に対して「太っているね」と言ったり

人が描いた絵に「これ変だね」と言ってしまうことがあります。

相手の気持ちを考えずに、発言してしまうことで、お友達からは嫌われてしまうケースも

少なくないです。

私たちは、普段相手の顔色をうかがっていたり、その場の空気を読むことで

行動したり、話すことを考えたりしますが、そういった点がわからないので

生きづらさを抱えて生きています。

強いこだわりは、生活上でも現れます。

このコップじゃないとだめ、この服じゃないとだめ、このカバンじゃないとだめと

いったこだわりがあることで生活が窮屈になっていきます。

主な行動特性はこちらです。

行動特性
人の気持ちや感情が読めない
冗談が伝わらない
急な予定変更に対応できない
こだわりが強い
コミニュケーションにつまずきが多い

自閉症スペクトラムがある人はてんかん発作やパニック行動があることが多いので薬を服薬している場合が多くあります。

また、支援方法としては、好ましい対人スキルを学んでいく必要があります。

対人関係を積むことで学びを深められることが可能になります。

学習障害(LD)

実際に学習障害の子どもと関わった経験がないので、文部省にかかれている文言を載せておきます。

学習障害とは、全般的に知的発達に遅れはないが、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」といった学習に必要な基礎的な能力のうち、一つないし複数の特定の能力についてなかなか習得できなかったり、うまく発揮することができなかったりすることによって、学習上、様々な困難に直面している状態をいいます。

引用:文部科学省 特別支援教育

学習障害の8割くらいに『ディスレクシア』(読み書き障害)を抱えていると言われてます。

実際に、読み書きが苦手な子は私が小学校の頃にもいましたが、別に障害だとは全く思いませんし

気が付かないことが多いかなと思います。

実際に、小学校の授業を見学する機会や中学校で部活動の外部コーチをしている経験がありますが

「読み書き」「計算」などで多少のつまずきがある子もいましたが、学習障害とは思いませんでした。

学習障害を学校やクラスといった集団生活の中で見つけ出すのは難しいかもしれませんね。

だからこそ、教育者や子どもと関わる仕事の方は

特性を見抜いて正しい関わり方をする

ということが重要になります。

よくみられる行動特性はこちらです。

行動特性
音読、黙読が苦手
計算や図形が難しい
文章の理解が難しい
文字を正しく書けない
得意不得意の偏りがある

『ただ、できない』のか『障害の特性』なのかを見極めることが大切ですね。

発達障害によくみられる特性

発達障害には、さまざまな種類があると上記で述べましたが、特性や障害の種類は

1人ひとり全く異なります。

話すことはできるけど、言葉の理解が遅い子。

言葉を耳で聞いて理解できるけど、話すことはできない子。

知的に遅れはないけど、読み書き、計算などの能力が少し遅れているなど

人によって優れている点、遅れている点が異なるため凸凹があります。

集中力がない

すぐに飽きてしまったり、周囲のものに興味がいってしまい集中できない。

しかし、興味のあるものにはずっとのめり込むように集中するケースもあります。

電車や電子機器(スマホなど)など

じっとできない

授業中や静かにしないといけない場面で落ち着きがなく、体をゆらゆら揺らしたり、

動いていないと落ち着かないことがあります。

よく、授業中に席を立って移動してしまうことで先生やお友達から

怒られたり、変な子と捉えられてしまうことがあります。

こだわりが強い

自分で決めたルールやルーティーンの通りにしないと納得がいかず、パニックになったり

自傷してしまうことがあります。

いつもと違う流れになったり、急な予定変更により、見通しが立てずに強い不安を覚えて

落ち着けなくなります。

協調性がない

コミニュケーションや対人スキルが乏しいので、集団で遊んでいても

自分のしたいように行動してしまうので、『空気が読めない』と思われてしまう。

また、相手の気持ちになって考えることが難しいので、あいてを傷つけてしまう言動や行動をしてしまう

ことも多々あります。

発達に凸凹がある

この能力は高いが、この能力は遅れているという発達に凸凹があります。

これは、人によって全く違います。

同じ自閉症スペクトラムでも話せる子はいるけど、言葉の理解が遅い子や

話せない、言葉の理解も乏しいが、手先の細かい作業が得意な子もいます。

長所をしっかりと見つけて、強みを伸ばしてあげることが必要になります。

不器用

運動や手先が不器用な特性がある子もいます。

運動や手先は、私たちが思っている以上にいろんな能力が必要とされています。

触覚、視覚などから得た情報を脳で処理すること、

筋肉の力加減やバランス、コントロールなどが必要になります。

障害による特性からの不器用さの場合は、正しい支援がないと

子どもの成長は見込めません。

忘れっぽい

記憶力が低く、頭で覚えておくことが苦手です。

持ち物だけではなく、注意されたことや言われたことなども忘れてしまうので

生活していく上で生きづらさを感じてしまいます。

特に、人間関係に大きな影響があります。

障害についてこれだけは知ってほしい

障害は社会にあるのか、身体にあるのかどちらでしょうか。

足が不自由で車椅子の人がいるとします。

その人が2階以上に登ろうと思った時に階段しかないと困ります。

しかし、階段ではなく、スロープやエレベーターがあれば困難なく

生きていけると思います。

この場合、障害は『階段』なのか『足』なのかどちらなのでしょうか。

足が不自由という事実はありますが、階段ではなく登れる環境があれば

足が不自由なことは困難ではなくなると思います。

最近のショッピングモールや商業施設には多目的トイレが充実していたり

車椅子や妊娠している方、子連れ優先のエレベーターがあったり、スロープがあったりと

世の中のみんなが生活しやすい環境整備がされています。

みんな必ず障害がある

障害は全員にあります。

軽度、重度の差はあれど、障害はあります。

私の思う障害とは、生活していく上で困難なことがあるかないかであると思っています。

例えば、『視力が低い』ということで考えていきます。

◉視力が低い

  ↓

コンタクトレンズやメガネをすれば生活は困らない

この場合は、コンタクトレンズメガネというサポートがあることで

『視力が低い』という障害が問題なくなり、生活に支障がなくなります。

◉脳に障害があり、両足に障害がある

 ↓

車椅子に乗ることで移動は可能だが、階段や段差は登れない

この場合は、車椅子というサポートがあることで

移動することはできるが、階段や段差がある場合は困難

◉自閉症スペクトラム。話せず、注意散漫、衝動性がある

 ↓

1人での生活は困難。支援者のサポートがあれば、生活できる

人それぞれ、生活していてサポートがあることで

生きやすくしている。

その中で生きにくさが強い場合に、さまざまな支援や福祉サービスや制度を

使って生きているということであると思っています。

本質を見抜くこと

障害があると『できることとできないことのギャップがある』ということを知ることで

関わり方を考えていかないといけません。

例えば、

文字が汚い(何も考えていない場合)文字が汚い(本質を見抜いた場合)
やる気がない
もっと書く練習をすればいい
先生の話を聞いていないからだ
障害特性からくる困難さ
枠などを書いてその中に書く練習をする
子どもに合ったレベルで指導、支援していく

支援方法はさまざまなのでその子に合った関わり方を考えていかなければいけません。

『態度の悪い子』と決めつけるのではなく、『何か理由があるのかな?』と別の視点で常に子どもと

関わっていくことをおすすめします。

全てを障害に繋げなくてもいいので、本人のやる気とかではなく、

本人自身も困っているけど本人はなんでそうなっているのかがわからないので

周囲のサポートや気づきが必要になります。

子どもの本質を見抜いていく目を養っていかなければいけませんね。

まとめ

今回は、発達障害についてまとめてみました。

現在、発達障害がある人の数は増えていると言われており

社会的にも障害者雇用という数も増えてきています。

障害について学ぶことで広く考えることが可能になります。

特に、子どもと関わる仕事の人は発達障害についての理解は深めておく必要がありますが

1人ひとり障害特性には異なります。

その子その子に合った支援を提供していくこと、何に困り感を持っているのかを

見つけていけることが大切ですね。

今回も最後までありがとうございました。

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